6月29日に観てきました。
詳細なネタバレはありませんが、
一応、改行多めにしておきますので、
以降の閲覧は御自身の判断で。
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あらすじとしては……
宗教的にも貿易としとても重要な地・メッカは、
強大な力を持ちアラビア半島を進軍し続けるアブラハの軍隊より
制圧と支配の危機に晒されていた。
彼らの要求は重要な宗教施設の破壊と全面降伏、そして民の奴隷化---。
平和を願うメッカの民であったが
到底飲むことの出来ない要求を突きつけられ、
ついに彼らを迎え撃つ決意をする。
メッカの志願兵の中核をなす青年アウスとアブラハの戦いの行方は、
そしてメッカの未来は---。
……という感じ。
話としては極めてシンプル。
このシンプルな話が進む中で主人公アウスが対峙する困難が幾つかあり、
それらを乗り越えるための精神的な支えとして
都度、先人たちの伝説が語られるのだけど、
この伝説こそがアラビア半島における宗教観や人間観の表れであり、
本作がサウジアラビアと日本の合作である大きな意味である。
伝説は全部で3つ出てくるんだけど、
「話の進行→困難→伝説→希望を見出して再び話が進行(最初へ戻る)」の
サイクルを繰り返すにあたって、
個々の伝説が冗長かな…というのが正直なところ。
特に、アウスの妻であるヒンドが語る形で出てくる伝説は
「いや、ヒンドは危機に直面してないじゃん。
何故に彼女から伝説の語りに行ってしまうかな」
との思いが拭えなかった。
鑑賞後に公式サイトを確認したところ、
伝説にはそれぞれ語るべきテーマが含まれているとのこと。
そうした理由で3つを語るのはマストだということであれば、
それぞれの尺をもうちょっと短く出来なかったかな、と思う。
本作を観終えて、
作品の重厚さや充実度とは異なる疲れを少なからず感じたのは
間違いなく1時間50分という上映時間に拠るし、
ではこれをどうにか少しでも短く…となると、
削れるのは伝説パートしかないかな、と。
真っ先に触れたように話としてはシンプルだし、
キャラクターの配置はわかりやすく、
伝説パートで語られる宗教観も特に押し付けがましかったりはせず、
それでいて
(宗教観を織り込んでいるという意味でも)世界観に相応の重みがあり、
声優陣の芝居も流石、
劇場公開作品だけあってアニメーションも良好
…ということで、
満足度は十分。
普段聴いているラジオ番組「金曜たまむすび」に
本作のプロモーションで
東映アニメーションの顧問・清水慎治が出演したことで
「日本とサウジアラビアの合作とな」
「サウジアラビアでは日本のアニメが受け入れられてるのね」
「なるほど『文化交流(清水慎治談)』」
「よっしゃ、観に行ってみるか」
となったことを、最後に記しておく。