アニメの感想を書く。

アニメを観て、感想を書きます。

THE FIRST SLAMDUNK

公開初日(12月3日)の正午過ぎに観てきました。

 

ネタバレ全開で書きますので、

自分が観るまで回避していたい人は

ここでこのページから離れてください。

 

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・直撃世代

・長らく読み返していないけど、原作どハマりマン

TVシリーズは殆ど観てない

・この記事を書くまで他人の感想を拾いに行ったりはしていない

・ツイートで流れてきた情報はアタマに入ってる

モーションアクターが入っていたことなど)

・ツイートに貼られている記事には飛んでいない

 

という人が書いてる、感想記事です。

 

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もうちょっと間を空けようか?

 

 

んじゃ、行きます。

 

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○山王戦とリョータ深掘りとを分けて公開して欲しかった

 

これに尽きます。

試合の前半ざっくりカットとか

魚住桂剥きカットとか

晴子ベンチ脇に降りてきての花道「大好きです」カットとか

(後者2つはコート内に部外者が入るという非常識があるので

 カットされるもの納得ですが)

(じゃあ「ヤマオーは俺が倒す!by天才桜木」はいいのかという

 話になりますが(苦笑))

あるけど、

モーションアクターを入れた効果で

とにかくバスケットの動きが良かったのと、

絵のテイストと塗りが多くのアニメーションのそれとは異なっていたのとで、

とにかく山王戦は素晴らしい出来だった。

最高。

 

…だからこそ、

リョータ深掘りのシーンにより

そこへの没入感を阻害されたとの思いが強い。

 

ずっと山王戦だけ観させて欲しかった。

 

リョータの深掘りやるのなら別口でやればいいじゃんと思ったし、

あそこまでフィーチャーするのであれば、

山王戦にリョータ視点の新要素を盛り込み、

深掘りパートとの接点を丁寧に作り、

完全に宮城リョータの話として構成して欲しかった。

 

 

○中途半端に映った宮城リョータの深掘り

 

大好きで尊敬する兄がいた。

リョータ自身は割と引っ込み思案なタイプだった。

父とその兄を立て続けに失い母親とイマイチ上手くいってない。

…これらの設定が追加されていること自体はともかく、

原作のリョータが出来上がるまでと山王戦とに

まるっきり活かされていないのは何だったんだろう。

 

原作のリョータって

茶目っ気といたずら小僧的な部分があるように描かれていると思うんだけど、

引っ込み思案だった彼がどうしてそういうふうになったのかが

まったく描かれていないので、

とても違和感がある。

 

山王戦開始直後の、花道へのアリウープのサイン=変顔も、

茶目っ気、いたずら心から来ているものでしょ。

今回のリョータ深掘りのままであのサインが出てくるのはおかしい。

 

また、いくら親と上手く行ってないからといっても、

売られた喧嘩をガンガン買う性格になるまでのさまも描いておくべきでしょう。

引越し先の団地でボール突いてたら

知らない大人に「うるさい!」って言われて

おどおどしていた彼が、

どうしたら数人に囲まれての喧嘩で

集団のボスと睨んだ三井だけは絶対に仕留めてやるという性格になるのか。

 

間が抜け落ちてるので説得力が無い。

 

親と上手く行ってない子供が総じて攻撃的な性格になるという

世間的な認知があるならこれでもいいのだろうけど、

そうじゃないっしょ。

 

やるならちゃんとやって欲しい。

 

 

リョータ深掘りと山王戦の接続方法

 

前述したようにリョータの深掘りそのものに対しても

大いに不満が残ってるんだけど、

その上で、

あれだけのフィーチャーが山王戦にまったく乗っかっていないというのは

とても大きな欠落だと思う。

(別に宮城リョータが主役でないという言い訳は出来ないレベルのフィーチャー具合だ)

 

原作にないリョータの追加部分って、

たぶんリョータが4人を呼んだハドルで

「あいつらまたプレスで俺を狙ってくるから

 そしたら流川が運べ。

 ダンナは流川を見ておいて」

って言ったやつだけだと思うんだけど、

(原作にあったらごめん)

(これは湘北の最後の攻撃の伏線になるし

 リョータのPGとしての能力を示す良い追加だったと言える)

他にも、

尺を取らないで追加出来るモノローグで、

リョータ深掘りと山王戦とが

もっと良いリンクをすることが出来たと思うんだよね。

 

例えば、

・兄が「最強山王」の

(原作で赤木も持っていた)月刊バスケットボールを持ち出したくだり

・基本バスケットでは心臓ばくばくで

 前日、彩子にもその心情を吐露したくだり

これを活かして、

今作ではカットされていた

試合開始当初の

「これが山王か…。

 始まったばかりなのにここ一番みたいなディフェンスをしてきやがるぜ」

みたいなモノローグに足す形で、

あるいは20点差をつけられてタイムアウトで下がったベンチで俯いてる様子に

被せる形で

「ソーちゃん…。

 最強山王はやっぱ凄いよ…」

って言わせるとかさ。

 

赤木に「PGはもっと喋れ!」と怒鳴られてた回想明けに

「ダンナ!持ちすぎるな!駄目なら回せ!!」を当てて

赤木にハッと気付かせリョータの喋り(コーチング)で助けられたように

少し山王戦を改変するとかさ。

 

更衣室でリョータに毒づく、

引退する3年生に向かって赤木が「宮城はパスが出来ます」と楯突いた回想明けは

へろへろ三井のマーカーに赤木がスクリーンしてスイッチからの三井スリーの

パターンに対して

山王がもうそれはやらせないと反応するも

リョータは赤木へのパスを選択したシーンを当てるとかさ。

 

原作の山王戦にリョータが存在感を発揮する新規シーンを足さなくても、

(幾らかは足すべきだったと思ってるけど)

パッと思いつくだけで3つ、

もっと今作を立体的に出来る編集の仕方がある。

 

山王戦のさなかにリョータ深掘りを混ぜていくという構図でやるなら、

こうした部分にもっと神経を割くべきだったと思うんだよね。

 

 

○原作ファンは観とけは理解出来る、が。

 

TLに流れてくるツイート(フォロイーのRTが中心)を見ると

「原作ファンは絶対に観ろ」

「バレは踏むな」

「最高、最高、最高!」

というものばかりなんだけど、

自分としては、

山王戦の描写以外は最高とは程遠いな~。

上映時間の間に2回泣いたけど、

それは原作の力であってこの映画の力ではないし。

(ちなみに、

 桜木の手に念を託すシーンと湘北に入って良かったというつぶやきで泣いている。

 共に石井!)

 

 

○作品の評価に影響しない些細なこと

 

河田(兄)の声はもっとガッハッハ系おっさんな声の人が良かったなぁ。

俺の抱いていたイメージと比べるとスマートに過ぎた。

格ゲーとかでも

スト2で言うところのE本田とかブランカみたいな容姿のキャラは

敬遠されるようになって

イケメン&美女で揃えないと売れないみたいな話を聞くし、

声優も

特徴的な声の人は減少傾向にあるのは必然なのかな…。

 

花道の「返せ…」の芝居、

何でDJプレイにおけるブレイク明けの声ネタみたいな

あんなポツンとした口調だったんだ…。

あそこは激痛を堪えながらなので叫びには至れない、

グギギとした「返せ」だと思うんだけど。