アニメの感想を書く。

アニメを観て、感想を書きます。

機動戦艦ナデシコ 第21話「いつか走った『草原』」

過去形とそこに込められた願望。

時は、待ってはくれないのだ。

 

 

時系列のシャッフルと記憶マージャンで

諸々を断片的に見せる。

ここでわざわざマージャンを用いるのがナデシコだよなぁ。

別にシリアスにやってもいい回でしょうに。

 

アキトと一緒にYユニットで幽霊…もとい、

記憶をもとに自らが作り出した幻影と

(ハックされた状態で生まれたものなので

 「自らが作り出した」は少しだけ違うのだけれど)

対峙する人員を用意して、

それがロン毛とイズミというのも上手いよなぁ。

アキトだけではちょっと選ばれた感が強過ぎるし、

尺的にも喋らせなければいけなくなる。

喋らせることが効果的な場合もあればそうでない場合もあるわけで。

んで、その場にいたのがこれまで掘り下げがなかったロン毛とイズミ。

それぞれ、今の性格に至った要因の一端が描かれていて深みが出る。

ロン毛に至っては

尊大で強気な振る舞いがコンプレックス由来で、

にも関わらず「アキトは跳べてロン毛は跳べない」という

噛ませ犬ポジションを与えられるという…。

いけ好かない性格に描かれているとはいえ

兄へのコンプレックスを知ってしまうと、

あまりの仕打ちだよな(苦笑)

 

記憶マージャンが開催された理由(一連のイネスさん解説)も

この作品の世界観と言うか設定で捉えると

まったく無理の無いもので。

この辺はSF設定の堺三保さんGJということでしょう。

 

視聴者に向けたヒント出し(アイちゃん)も、

程よいわかりやすさ。

 

そうして諸々あった中で、

木星蜥蜴が実は人間だったことへの決定打が

(エリナによる上っ面の説得を拒絶するアキト)

ここでようやく出たのも

(容易く出るものではないので話数的に溜めたというのもあろう)

残り数話に向けて大きいよね。

 

  

ナデシコ艦内でバタバタやってる様子が中心なれど、

木星側もナデシコには一目置いていること、

実際に地球人と接触した九十九が和平を提案していること、

強烈なブラコンの(笑)ユキナ登場、

戦況がどのようになっているかの描写……等、

ガッ、っと盛り込まれている。

 

情報量多いわー。